看護師3年目は、同期の多くが転職を考え始める時期でもあります。その中にいれば、「このままで良いのか」と漠然とした不安が生まれるかもしれません。とはいえ、しっかり看護師として経験を積みたいのなら、まだ転職はせずに4年または5年目までは継続した方が学びが多いといえます。

転職したい理由がはっきりしていないのであれば、周囲に流されて焦らず、なるべく同じ職場で勤務するのがベターです。豊富な経験を積み、看護師としての幅広い知識を身につけた経験は、必ず次の転職に活かされます。

いざ転職をする時には、今後のキャリアプランを立て、結婚や出産などのライフイベントもしっかり考えておく必要があります。きちんと準備せず、思いつきだけで職場を変えるのは非常にリスクが大きいです。環境が悪い職場に当たってしまった場合、大変な思いをするのはもちろん、前職と比較して後悔する結果となり、さらにつらい気持ちになってしまいます。そうならないためには、現在の職場の良い面と悪い面を分析し、自分が仕事に求める優先順位を明確にしたうえで、転職するかどうかを決めることが大切です。

また、一般的に看護現場では、看護師の継続年数が2年目後半あたりになるとリーダー業務を任され、3年目あたりになると新人のプリセプターを任される傾向にあります。その経験は即戦力として見なされるため、転職活動において継続年数の長さは強みになるといえるのです。

ただ、民間病院に比べて、大学病院や国公立病院は独り立ちまでの期間が比較的長い傾向にあります。実際、大学病院や国立病院は教育体制が充実しており、長年かけて人を育てていくため、一人前になるには十分な期間が必要とされるのです。

実際、大学病院や国立病院の現場では、3年未満の看護師が基礎的な点滴や採血、注射を任されるケースが少なくありません。そのため、大学病院や国立病院でスキルを積むために転職を検討した際は、4年目から5年目までは経験を積んでおいた方が良いでしょう。